春は急ぎ足 〜日永に新緑に輝く蒔絵〜

    春は急ぎ足に
    過ぎていきます。

     

    先ず梅が香を運ばせ
    雪柳は足元で風に舞い

    次々と花々が芽吹き
    眠っていた虫や動物
    もいそいそと動き始めます。

    桜が咲き誇り
    散る頃には
    投げ入れの椿も
    もう名残り

    だいぶ日も伸び
    霞立つ夕暮れ時の
    淡い光りは
    漆器の艶めかしさを
    一層と引き立てます。

    新緑へと導く光りは
    生命への息吹を
    含んでいるのでしょう。

     

    ただ青く
    蒼く
    ただ碧く

    季節はゆきます。

     

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