山茶花の投げ入れと冬の日

    通い路の山茶花が
    散り散りとなりつつあります。

    “茶”と連なる
    名から茶花としては
    あまり好まれませんが、
    切花にしても、持ちが良く
    身近な生活における座辺の
    投げ入れ花として光を当ててあげても
    良いのでは無いかと思います。

    開ききると白みを帯びてくるので、
    蕾2分辺りが艶やかで愛しくもあります。

    山茶花といえば、

    直ぐに思い浮かぶのはこの連句


    冬の日

    狂句こがらしの身は竹斎に似たる哉

    芭蕉

    たそやとばしるかさの山茶花

    野水

    有明の主水に酒屋つくらせて

    荷兮


    ”芭蕉七部集”に収められている
    この俳諧連句は

    侘び旅人としてはるばる遠路から
    名古屋に着いた一行(芭蕉ら)に
    ほとばしる水気と 笠に花を添えた句を
    もてなしに付ける事から始まります。

    江戸時代に園芸種として大きく改良され
    現在は紅が一般的な山茶花でありますが、
    その原種は、白の一重咲きであるとされています。

    はたしてこの句の花は
    いったいどんな姿形だったのでしょうか。。

     

    参考文献:


    芭蕉七部集
    サザンカの名前とその遍歴

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