日本の漆の歴史は深くかつては比較的浅い時代に
大陸から渡ってきたものとされてましたが、
北海道で世界最古の漆器
が出土して以来少なくとも、
縄文時代の約9000年前から生活に寄り添う文化であると考えられています。
奈良時代には乾漆仏 平安時代には蒔絵
中世には根来塗や茶の湯の銘々皿など
時代を経ながら日本で使われていましたが、
特に江戸〜明治時代にかけては
高貴な人々達のみならず
庶民の生活の中にでも漆器が息づく
時代となりました。
明治時代には“殖産興業”の一環で海外の万国博覧会や国内でも内国勧業博覧会を各地で開催し
国策として、産業振興・輸出拡大が
図った事や、大航海時代に数々の漆芸がヨーロッパに渡った事から
海外では陶磁器を“Chinese”と呼ばれる事に対し
漆の事を“Japan”と呼ばれた程です。
しかし近代化が進み食や生活スタイルの変化から漆の器は日々の暮らしから離れてしまい明治十年頃には年間750トン生産量として誇っていた
生漆が現代に至っては、
年間1トンほどまで落ち込んでしまい
現在流通している漆の97パーセントは
中国産となり
国産の本漆は一部の伝統工芸や建築の改修のみに使用されるのが現状となっており、
現代における私達の生活の中で本物の質感を持った漆器を触れる機会というのは皆無に等しい状況です。
”逢季荘”では、
日本の食卓に少しでも本物の漆器を並べて欲しい。。という想いから
かつての天然本漆が使われていた
時代漆器の中から
現代でも使える上質で状態の良いものを厳選し
皆様の食卓にお届けできればと思っております。